Topic outline
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最後の物語は、「大学版ID専門家養成上級ワークショップの構想とその体系化」をめぐる動向である。IDはFD担当者の学問的基礎として使える、FD担当者が広範な学問領域の専門家(SME)と対峙して信頼を得るためには学問的基盤が有益である、ということに同意が得られたとしても、その知識やスキルを学ぶ機会があるのか、という疑問に答えなければならない。IDが有益であったとしても、大学院に通ってID専門家を目指すまでの時間をかけるわけにはいかない、という人たちが大学という文脈で有益なIDを学ぶ機会を提供する必要がある。そんな思いで取り組んでようやく形になりつつある「上級レベル」の養成講座について学会でその構想を発表した原稿を読んでほしい。
この試みでは、物語1で紹介した日本教育工学会のFDワークショップを基礎に置き、IDの理論やモデルを駆使して授業改善を試みるとはどういうことかを体験してもらう。そのプロセスを支援する「ファシリテータ」養成研修とレポートの評価ができる人を養成する「添削者養成講座」で理解を深めるまでを第一段階とみなしている。その上に、次世代の大学における授業づくりができることを目指した「教育改善スキル修得オンラインプログラム」(鈴木ほか 2019)で改革の方向性を学ぶ第二段階がある。それらの学びを踏まえて、「上級」に至る道を想定し、そこで何を学ぶべきかを模索してきた。
まずは、必読文献を読んでほしい。このような試みをどう思うか、FD担当者として、これを受講したいと思うかどうか、について議論していただきたい。
必読文献
- 鈴木克明・市川尚・髙橋暁子・竹岡篤永・根本淳子(2019.9)大学版ID専門家養成上級ワークショップの構想とその体系化.日本教育工学会第35回全国大会(名古屋国際会議場)発表論文集,85-86
参考文献
- 鈴木克明・喜多敏博・平岡斉士・長岡千香子(2019.9)教育改善スキル修得オンラインプログラム(科目デザイン編)の構想と無料版・有料版の公開.第44回教育システム情報学会全国大会(静岡大学)発表論文集,425-426
★★★ コラム ★★★
科学でも工学でもないデザインとは何か
「デザイナとは何ができる人であるべきか」、「ID専門家はどのようなデザイナであるべきか」という観点からコラムを書いていますので、お読みください。