コラム:我が国における学習支援センターの動向

我が国においても学習支援センターやラーニングコモンズの設置やピアチュータリングが盛んにおこなわれるようになっている。文部科学省が行った令和2年度学術情報基盤実態調査によると、「アクティブ・ラーニング・スペース(複数の学生が集まり、様々な情報資源を活用しつつ 議論を進めていく学習スタイルを可能にするスペース)は、令和2年5月1日現在で557大 学(69.5%)に設置されており、国立大学の98.8%、公立大学の50.0%、私立大学の68.4%に 設置されている(p. 9)」。4年前の調査に比べて、大学数で約100校、設置率で10%程度の伸びを示した。 アクティブ・ラーニング・スペースにおいて提供されている学習・研究サポートの内訳は、図書館利用・文献検索サポートが41.9%を占め、以下、ITサポート(19.7%)、分野別学習相談(18.5%)が続いた。


注:初めて5割を超えたと報告した平成27年度「学術情報基盤実態調査」(左)と令和2年度学術情報基盤実態調査(右)

日本リメディアル教育学会は、2008年発行の『リメディアル教育』第3巻1・2号で「学習支援センター」、2014年発行の第9巻2号で「学生による学生への支援を考える(教育(支援)効果・評価のあり方を意識して)」の特集を組んだ。『情報の科学と技術』では、2011年発行の第61巻12号で「ラーニングコモンズと利用者サポート」を特集した。必読文献で紹介したLCLAのチューター研修の認定を受けている機関には、名桜大学語学学習センター(2002年認定)、はこだて未来大学メタ学習センター(2015年認定)、神田外国語大学アカデミックサクセスセンター(2020年認定)の3校になった。

最終更新日時: 2021年 10月 6日(水曜日) 16:04