次世代の大学をイメージする格好の材料として最近、注目を集めているのがミネルバ大学である。耳にしたことがあるだろうか。私たちが注目する特徴は以下の通り。信じられないことばかりであるが、実在する大学である。
・日本人ミネルバ学生(日原翔さん)の記事:ミネルバのふくろう(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)注:第1回から8回までの数字それぞれにリンクがあります。
・知識ではなく考え方を学ぶ、新設オンライン大学「Minerva」のヴィジョン(2015)Wired提供
・ミネルバ大学創立者 ベン・ネルソン氏インタビュー(2016)FutureEduTokyo提供
・世界で最も入りにくい大学、「ミネルヴァ」の3つの秘密(小林りん)(2017)ForbesJapan提供
・ミネルバ大学Webサイト(英語)
Webサイトの記事で興味をそそられたら、山本氏が執筆した書籍も参照してみよう。山本氏は、ミネルバ大学を日本に招致する活動をしていたというから、惚れ込んだ大学について、なぜ招致が功奏しなかったの理由も含めて、かなり詳細に述べている。
・山本秀樹(2018)『世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ』ダイヤモンド社(Amazon)
ミネルバ大学の発想や実行力、そして注目度を目の当たりにして、私たちは「やられた!」と衝撃を受けたことを思い出す。でも、実は、熊本大学に2006年に誕生したインターネット型大学院教授システム学専攻の構想も、そして物語3で紹介したストーリー型カリキュラムの実験も、それほど捨てたものではなかったと再評価もしている(自画自賛ですが・・・)。
私たちが新しい形の大学院を発想し、13年間の経験を踏まえてお届けする本講座への導入として、両者を参考に「次世代の大学教育」をイメージしてもらえれば幸いである。このような大学を目指すべきか否か、エリート向けの大学だけに必要な特異なケースではなく、ユニバーサル時代の高等教育機関に通う一般人にも必要なのではないか、真似できるヒントは多くあるのではないか、と私たちは考えているが、どうだろうか? 活発に議論していただきたい。
・【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(72) :下山・鈴木対談を終えて~アカデミック・トランスフォーメーションとミネルバ大学~(2018)IDマガジン第76号掲載記事、IDポータルサイト(熊本大学)提供
・北村士朗・鈴木克明・他10名(2007)「eラーニング専門家養成のためのeラーニング大学院における質保証への取組:熊本大学大学院教授システム学専攻の事例」『メディア教育研究』第3巻2号(特集:e-Learning における高等教育の質保証への取組み) 25-35.
・Suzuki, K. (2009). From Competency List to Curriculum Implementation: A Case Study of Japan’s First Online Master’s Program for E-Learning Specialists Training. International Journal on E-Learning: 8(4), 469-478.